マイクロファイナンスという概念を作り実践してきた、ムハマド・ユヌス(→Wikipedia)がこれから先どのような方策をとることで世界から貧困を根絶していくかという考えを述べた本。
前半ではマイクロファイナンスの概念と、それを実現してきたグラミン銀行についての丁寧な説明があり、後半ではユヌス氏がこれから広めようとしているソーシャルビジネスの考え方やこれからの経済発展のあり方として先進国やビジネスリーダーや若者が持つべき視点について述べている。
マイクロファイナンスやソーシャルビジネスが既存の慈善事業と異なっているのは、ビジネスとして成立し、それだけで継続可能なゴーイングコンサーンとなっている点だ。これは一度うまくいけば、それ以降は他人の寄付がなくても自立して活動を続けることができるという強みになる。
またただ与えるのではなくて、貧困層の人々をビジネスのサイクルに引き込むという点もこれらの事業が貧困の解消に役立つ特徴だろう。個々人をサービスの提供者とすることでその人も利益を上げることができるし、村落の人々もそのサービスを使用することができるという便益を享受する。さらにその便益が村落の産業を助ける(たとえば電話やインターネットによって市場へのアクセスがしやすくなるなど)性質のものであれば村全体に対しての経済効果をもたらす。
僕のレベルでもわかるほど、とてもシンプルに経済の動きが見える気がした。そして貧困層の人々が少しの、そして誰も犠牲にしない助けを得ることで、自己成長的なサイクルを作り出していくための基礎を築き上げたユヌス氏の仕事は本当にエキサイティングなものだろうなと思う。
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