福沢諭吉は一万円札の肖像になっているけれど、実際のところどんな人なのかあまり知らなかった。出てくるキーワードといえば「慶応大学」と「学問のすすめ」ぐらいのものだ。
以前日経新聞社の「経済学 名著と現代」を読んだのだけれど、その第一章は福沢の「文明論之概略」を取り上げていた。そこでちょっと興味を持ったため読んでみることにしたのがこの本だ。
内容はといえば、「現在の(つまりその当時の)日本がどのような方向に向かうべきか(具体的には日本の独立を守ることを第一に考えるべきであるということ)」を説いている。かなり分厚い本だが、いいたいことは非常にシンプルだ。その非常にシンプルなことを主張するために、非常に丁寧にたとえを引いたりしながら物分りの悪い人でも納得できるように解説を試みている。
印象的だったのは、文明の進み具合にはステージがあってその時々に適した制度や考え方を持つべきだという主張だ。彼の時代にはそれはなんとしてでも西欧諸国の侵略を避け、自国の独立を守ることだったのだろう。では現在では?という疑問がわいてくる。残念ながら僕は文明を論じられるほど知見に長けていないので、大して考えもせずにあきらめてしまうが、少なくともそれについて考えるきっかけにはなったと思う。今でも思考のフレームとしては有効な本なんじゃないかな。
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